瓦屋根の「棟」が傷んでいるお客様宅にお伺いし、法制化した「耐震工法」に則って棟積直し工事を行います。
こちらが、今回傷んでいる棟の様子です。
地震の影響で棟が大破している状態でした。
熨斗瓦が全体的にズレ動いた形跡があり、被害の大きい箇所は脱落しています。
また、棟下の地瓦にも損傷がみられました。
まず、既存の棟を解体していきます。
今回、棟内部の土台粘土が奥からえぐられていることから、棟瓦同士の取り合いから雨水が侵入していることが判明しました。
棟を積み直す前に、棟の下に位置する地瓦を南蛮漆喰を用いて高さ調整および下地との接着工程を経て、耐震工法を確立する為に必要な下処理を施していきます。
耐震工法の下処理として一番要となる耐震杭を等間隔（およそ１ｍ毎）に屋根構造体に設置していきます。
そして南蛮漆喰で棟の土台を作ります。
南蛮漆喰は瓦屋根には欠かせない材料で、瓦同士の隙間を埋めるほか、接着剤の役割も担ってくれます。
土台が仕上がったら今度はそこへ熨斗瓦を積んでいきます
先述した等間隔に打ち込んである耐震杭に被覆処理を施した鉄筋を緊結し、更にそれと棟瓦を銅線で全て緊結していきます。
最後に冠瓦を被せて同じく銅線で緊結して、作業は完了です。
棟積み直し工事はこれで完了となります。
以前の美しい姿を取り戻し、しかも、棟の中身は以前とは比べ物にならない耐震性能と耐風性能を有しています✨
工事箇所が変わり、こちらは酸性雨の影響で腐食してしまっている銅製の屋根の様子となります。
瓦の上を流れる酸性雨が銅を電解してしまう科学変化により起こる現象の用です。
今回はまだ穴が開く程の傷み具合ではなかった様です。
部分的に銅板専用皮膜剤を塗布した様子です。
ニスを塗ったような光沢がでるのが特徴です。
銅板は熱収縮率が高く、一般的な塗料ではその動きに追従出来ず、剥離してしまします。
それを改善するためにこのような専用の皮膜剤が存在します。
銅製の樋の内側に腐食防止を目的に塗布することもあります。
今回の工事ブログは以上となります。
私たち、やねうち では調査・見積作成を随時、無料で行っています。
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