矢板市で倉の屋根の葺き替え工事を行いました。
劣化からの雨漏れがあるそうです。これでは大切な家財を守ることが出来ないということで、今回の工事に至りました。
施工前の様子ではかなり瓦が痛んでいることが目視出来ます。
築50年程経つお宅で、何度か漆喰の手直し工事などは行ってきましたが、今回は新たな瓦での葺き替えです。
まず既存の瓦の撤去をします。
野地板と垂木もかなり傷んでいるため、野地板と垂木も撤去します。
新垂木と野地板を施工します。
その後、大切な家財をお守りするため、防水紙(ルーフィング)を2重で施工します。
一重目に施工するのは『モラサン』のゴムアスルーフィングです。裏面に合成繊維不織布を張り合わせて、防水性と耐久性を高めます。
二重目には樹脂ルーフィングを施工します。こちらのルーフィングには小さな凹凸があり、瓦桟を打っても水の通りを良くしてくれます。
更に瓦桟を施工します。
軒部⇒平部⇒袖部⇒棟部の順に施工をしていきます。
新しく施工する瓦は三州釉薬瓦です。
棟部では勝手瓦の調整後、屋根下地を支えている棟木に、等間隔で鋼製の耐震杭を打ち込んでいきます。
更にその耐震杭に被覆鉄筋を銅線で緊結します。
この被覆鉄筋に銅線を用いて、棟瓦(熨斗瓦と丸瓦)を全て緊結していきます。
これが耐震・耐風工法(ガイドライン工法)による棟積み直し工事となります。
この工法で工事をすることにより、加速度が加わらない速さ(1G)で360°ぐるりと回転させても棟が崩壊しない強度を持つことが可能になります。
最後に紐丸と言われる冠瓦を施工しすべての工事が完了です。
屋根が変わるだけで建物全体のイメージが断然変わりましたね。
雨漏れでお困りだったお客様もご安心いただけたことと思います。
家財・商品などを安全に貯蔵するための建物として倉は建てられてきましたが、現代では倉をお持ちのお宅が
減少してきています。
貴重な倉を後世にも引き継ぎたいというお客様のご意見に共感致しました。