和瓦の大棟積み直し工事のご依頼を頂き、宇都宮市に伺いました。
築37年ほど経つお宅で、お客様は経年劣化による漆喰の崩れ、棟の歪みによって、雨漏れ等
があり応急処置をされているとの事でした。
施工する前の様子です。
雨漏れの部分にはブルーシートが被せてあり、雨水が侵入している形跡が確認出来ました。
今回は既存の棟を再利用するため慎重に解体します。
棟付近の既存平瓦を解体し、既存の漆喰は撤去・処分します。
新たな漆喰を用いて既存平瓦を納め直します。
屋根における漆喰の役割は瓦同士を固定する接着剤のような役割を果たし、瓦同士の隙間を埋め、雨水の浸入や小動物の侵入も防止します。
更に屋根下地を支えている棟木に、等間隔で鋼製の耐震杭を打ち込んでいきます。
耐震杭にそこへ被覆鉄筋を緊結します。
この被覆鉄筋に銅線を用いて、棟の瓦を全て緊結していきます。
これが耐震・耐風工法(ガイドライン工法)による棟積み直し工事となります。
この工法で工事をすることにより、加速度が加わらない速さ(1G)で360°ぐるりと回転させても棟が脱落したり崩れたりしない強度を持つことが出来ます。
すべての熨斗瓦(のしがわら)を被覆鉄筋に緊結していきます。
熨斗瓦(のしがわら)とは屋根の棟に来る雨水を表側と裏側に流すために積まれる瓦の事を言います。
5寸素丸という冠瓦も被覆鉄筋に緊結している銅線で固定していきます。
大棟の積み直し工事が完了した様子です。
なかなか目の行き届きにくい棟部ですが、経年劣化での歪みや漆喰の崩れ・雨漏れ等の症状をもたらします。
定期的なメンテナンスをお薦めいたします。