日光市で洋瓦屋根の棟から鳥が出入りしてしまいお困りであるということで、
既存の乾式工法から湿式工法への変更工事を行いました。
屋根材は既存のものを再利用しております。
こちらの大棟の内部に雀が巣を作るとの事でご報告頂きました。
今回、棟の冠瓦を外すと乾式工法で形成されているのを確認いたしました。
ここで、よく頂戴する湿式工法・乾式工法についてのご質問を取り上げさせて頂きたいとおもいます。
Q:『乾式工法』と『湿式工法』と2種類の工法があるのですが、大きな違いはどんなものなのでしょうか?
A:実は、水を使用するかしないかなのです!!
水を使わないで工事をするのが乾式工法です。
水を使わないため、素材を乾燥させる時間が必要ないことなど、素材が固まるまで作業が中断するということもないため、工事もスムーズに行うことができるのが利点です。
その反対に水を使って工事をするのが湿式工法です。
水を混ぜて使用する漆喰や南蛮、モルタルなどを使用する工法です。
この工法のメリットは、水を混ぜて一度柔らかい状態にしてから作りたいものを作るため、形などもある程度自由に設計できることです。
ちなみに今回は、雀が屋根の隙間に巣を作ってしまうとのご依頼でしたので、隙間をできるだけなくすため、乾式工法から湿式工法への交換工事をおすすめいたしました。
棟瓦を解体し、乾式工法で組み立てられている棟材を撤去し、南蛮漆喰で棟の土台を形成していきます。
勝手瓦の調整後、屋根下地を支えている棟木に、棟瓦をステンレス製のゴムパッキン付きビスにて緊結していきます。
この際、先の工程で仕上げていた南蛮漆喰を棟材と密着させるよう取付け、棟材と南蛮漆喰に隙間が無いように施工していきます。
これが耐震・耐風工法(ガイドライン工法)による棟積み直し工事となります。
この工法で工事をすることにより、加速度が加わらない速さ(1G)で360°ぐるりと回転させても棟が脱落したり崩れたりしない強度を持つことが出来ます。
これで、乾式工法から湿式工法へ棟工事を変更させる工事が完了となります。
棟部の改修工事でお悩みのことがございましたら、是非ご一報ください。